家づくりの知識

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memo 覚え書き バルコニーの外壁

バルコニーの外壁

 

 

木造住宅の外壁は、最初に 木の柱の外側に防水のための「透湿防水シート」(防水紙)を貼ります。

合板などで建物の耐力を高めている場合は、柱+合板+透湿防水シート という順番で施工していきます。

ここで、外壁の仕上げ材を取り付ける前に もうひと仕事あります。

透湿防水シートの上に「胴縁」といって15mm〜20mmくらいの厚さの板を 柱(や間柱)に釘で止めるのです。

これは「通気層」を設けるための作業で、胴縁の15mm〜が通気層となります。

そして やっと その上に外壁材(仕上げ材)を取り付けます。

 

通気層は、建物の室内側の壁と外壁の壁との間に湿気が溜まって、内部で結露するのを防ぐことが目的です。

 

建物の部屋の中では、たくさんの水蒸気が発生しています。

湿気を含んだ空気は、室内側で気密工事がされていないと、色々なルートで建物の外壁の内部に入り込みます。

たいていの場合、外気の湿度のほうが室内や壁内の湿度より低いので、

(室内→)壁内→通気層 という方向に水蒸気が移動して、外壁内で結露が起こらないように工夫がされています。

 

 

日本窯業外装材協会 ウェブサイト「窯業系サイディングの標準工法」より

http://www.nyg.gr.jp/toha/tuuki.html

 

 

現在では、保険などの条件もあり、建物の外壁には通気工法が取られているのが普通のこととなりました。

しかし、バルコニーの外壁は それほど徹底されていないことがあるようです。

特に 瑕疵保険や性能表示制度などで通気工法が必須となりかけた頃 (平成12年前後) は

その意味が理解され始めた頃であって、施工の良否に差が有るようです。

 

また 施工時期とは別に、

「壁内結露の防止が目的なら、室内が無いバルコニーの手摺り壁に なぜ通気層がいるのか?」

という疑問も 施工者から良く聞かれます。

 

サイディングメーカーによると、窯業系サイディングというものは

・ セメント系の素材なので、水分を吸わないわけでは無い。

・ サイディング裏面はバックシーラーが塗ってあるが、表面に比較して水分を吸いやすい。

ものだそうです。

 

バルコニーの手摺り壁自体は室内に面していないので、生活による水蒸気というものは無関係ですが、

雨などの直接的な水分が掛かりやすい、より過酷な環境下にあることは確かです。

 

これら水分が、壁内に入り込んだ時、その水分を出来るだけ素早く輩出したいですし、

サイディングの裏面の水分も、通気層から蒸散させたいのです。

 

サイディングの裏面から水分がサイディング内に入り込むと、反ったり伸縮したりするので

繰り返しているうちに 表面が波打ってきます。

バルコニーの手摺り壁の表面が、ほかの外壁面に比べてデコボコしているのを良く見かけます。

あれはそういう理由なのです。

 

一般の方の中には、

そもそも 外壁材であるサイディングの内側(通気層)まで雨が入り込むこと自体が欠陥じゃないの?

と思われるかもしれません。

 

でも、私たちは、外壁材は防水材とは考えていないのです。

防水は防水紙(透湿防水シート)で行ないます。

 

時々 施工者でも、外壁材=防水材、防水紙は万が一のための保険 と考えている方がいますが

この考え方は危険です。

外壁材が防水していると思うので、防水紙の施工が甘くなります。

万が一の時のためだから、防水紙まで水が入ってくることはマレだと考えてしまいます。

 

でも、外壁材やバルコニー笠木は「美装材」であり、防水性能は有りません。

従って、防水紙の施工が雨漏り対策の最も大事な要(カナメ)なのです。

 

 

日本透湿防水シート協会(NTBA)ウェブサイト 「透湿防水シートとは」より

http://www.ntba.jp/modules/weblog0/

 

ちょっと話がそれてしまいましたが

バルコニーの手摺壁の内側には、雨水(もしくは水蒸気)が入り込むものだ、

と考えるほうが自然なのです。

そのことが サイディング材に悪影響を与えないように 「通気層」 が必要なのです。

 

 

下の図は 住宅保証機構さんの瑕疵担保保険の仕様書からの抜粋です。

 

まもり住まい保険 「設計 施工基準・同解説」 より

http://www.mamoris.jp/kasitanpo/standard/pdf/2012-sekou.pdf

 

 

図の 「吸気」、「排気」の矢印の箇所は、雨水が入り込む可能性のある場所でもあります。

入ってしまった 雨水が逃げられない構造ではダメです。

入ってしまった水蒸気(湿気)が 逃げていくルートが無い構造もダメです。

 

 

どの部分からどんなルートで建物内に水蒸気が入り込むか分かりません。

建物は水蒸気が入り込まないほど外部に対して気密性が高いものではありません。

 

壁の中や天井裏に入り込んだ水蒸気を、通気層から出て行ってもらうことが

2016年現在では というただし書き付きですが 「正しい」家のつくりかた だといえます。

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